「Bizスポワイド」に出演した話(2)

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番組の内容(下記)に関して、「ギリシャ問題」と「イギリスの総選挙」について(1)で書いたので、続きの「BOPビジネス」と「預かりビジネス」について書きます。
 ・ギリシャ問題
 ・イギリスの総選挙
 ・BOPビジネス
(・スポーツ)
 ・預かりビジネス

◆BOPビジネス

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「BOP」とは「Base of Pyramid(ピラミッドの土台)」の略で、経済ピラミッドの下部にいる、おもに発展途上国の低所得者層である、年収3000ドル未満の人々をターゲットにした「BOPビジネス」が注目されている。BOP層は約40億人で、その市場規模は5兆ドルといわれている。BOPビジネスに、日本の中小企業で参入するところも出てきている。

(ブログでの川嵜補足)---
BOPは、2000年にアメリカのプラハラード教授が提唱した市場です。最初は「Bottom of Pyramid(ピラミッドの底辺)」と言われていましたが、最近では「Base of Pyramid」と言われています。
欧米ではその頃から、この市場への参入がなされる一方、日本では、昨年(2009年)8月に経済産業省で「BOPビジネス政策研究会」がスタートするなど、ようやく動き出した感じです。

プラハラード教授は、今年4月に亡くなられていますが、2005年に、著書「ネクスト・マーケット 『貧困層』を『顧客』に変える次世代ビジネス戦略」を出されています。また、日経ビジネスオンラインのインタビュー(2008年)では、成長著しい新興国市場で、存在感が感じられない日本企業に憂慮されています(プラハラードが日本企業に残した"遺訓"~新興国市場は実験場、"革新力"を競い合え)。
ちなみに、プラハラード教授は、ハメル教授との共著で「コア・コンピタンス」の概念を提唱した方です。
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・日本の中小企業の進出事例
秋葉原のソフトウェア開発ベンチャー、株式会社エヌ・ウェーブは、バングラディシュのバスに非接触ICカードを導入し、利便性を高めようとしている。が、バスの利用者である市民はもちろん、国営バスも財政的に厳しく、費用を支払えないなど課題も多い。

・BOPビジネスの成功の秘訣は?
(平本督太郎さん=野村総合研究所副主任コンサルタント 解説)
1)現地の人たちが何を欲しているのか、ニーズを見極め、それにあった商品・サービスを提供していくことが必要。
2)BOP層の人たちがサービスを受けることによって生活向上をし、将来的に大きなマーケットを作り出す仕組みをビジネスモデルに組み込むことが重要。

・企業が単独で出て行くのは難しいのでは?
(平本督太郎さん 解説)
ベンチャー企業のような小さな会社が単独で出て行くのは非常に難しいのがBOP市場。
欧米では、政府とタッグを組んでいる。政府にとっては、国際貢献として意義がある。
日本企業の進出も、日本政府がうまく仕組みを作り、タッグを組んで進出すると、日本の競争力も上がる。
また、現地政府ともタッグを組むこと。

・日本企業はもっと出て行ったほうがいいと思うが、出て行くにあたってどんなことが必要になるか?
(川嵜 解説)
このビジネスは、若い人のメンタリティにも合っていると思う。社会企業家に興味をもち、勝ち組になる競争はしたくないが、意義、意味、価値のあることをやりたいという若い人は多いと思う。彼らをうまくサポートする形ができればと思う。

(平本督太郎さん 解説)
そこは重要なポイントだと思う。若くて能力の高い人がBOPビジネスをやろうとしており、彼らにアドバイスしているのは70歳ぐらいの人たち。彼らは、戦後、日本が復興していく過程を実体験している。
面白い連携になっている。

※追記(2010年11月25日)BOPビジネスに関する本、「BoPビジネス戦略」(東洋経済新報社)を、平本督太郎さんが出版されました。⇒ Amazon
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◆預かりビジネス

「貸し倉庫」や「トランクルーム」が進化している。
ダンボール1個から預かってくれる会社や、本を預けるとリストを作ってくれるサービス、服を預けるとクリーニングをしたうえで、撮影してデータベースを作ってくれるサービスなどが出てきている。

・こういうサービスはどうか?
(川嵜 解説)
洋服など非常に便利だと思う。ただ、本はだんだん電子書籍になっていくのではないかと思う。雑誌をドキュメントスキャナーで取り込むことも増えている。

(野口悠紀雄さん 解説)
本は手元に置いておきたいという気持ちもある。

          ◆ ◆ ◆

BOPビジネスは、新しいマーケット、ターゲットであり、ブルーオーシャンであることに加えて、非常に意義のあるビジネスだと思いますが、どう継続・発展させていくのか、中長期のビジネスモデルの構築が難しいと感じます。
ここでも、国がビジョンを持ち、企業とともにビジネスを育てていくこと、官民、中小・ベンチャー企業、NPO、社会企業家の横の連携が求められていると思います。

また、預かりビジネスは、以前はダンボールに資料などを入れて預けていたが、今はデータ化し、クラウドに置いている、紙の資料などはもう取っておかなくてもいい、という人も増えていると思います。

物に関しても、若い人の車に対する意識(お金もかかるし、日常的に利用しないから、欲しいとは思わない)など、所有に関する意識が変わってきているのではないかと感じます。

預かりビジネスで、今は、自分の物を預けていますが、最初から持たずにシェアしたり、スペースなどは、共通のインフラを皆で上手に使うという方向に向かっている気がします。
シェアしていても、便利に、快適に使えれば、むしろそのほうがよい、面倒くさい管理などは他人がしてくれたほうがよい。家の中に何でも溜め込むのではなく、物を選んですっきりさせ、シェアできるものはシェアする、「物のクラウド化」が進むのかもしれません。

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