新将命氏講演会「企業を伸ばすリーダーの条件」

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福岡で開催された、新将命氏の講演会に行きました。
新氏にお目にかかるのは、随分前に取材させていただいて以来で、とても楽しみでした。
アップテンポで、リズミカル、聴衆を巻き込んでいく、エキサイティングな講演でした。

<セミナーデータ>
タイトル:企業を伸ばすリーダーの条件
     ~次代のリーダーが目覚めれば会社は強くなる~
日時:2012年12月13日(木)19:00~21:00
場所:博多都ホテル
主催:福岡ビジネスパーソンキャリアアップの会

■新将命氏プロフィール 1939年東京生まれ。株式会社国際ビジネスブレイン代表取締役社長
シェル石油、日本コカ・コーラ、ジョンソン・エンド・ジョンソン、フィリップスなどグローバル・エクセレント・カンパニー6社で社長職を3社、副社長職を1社経験。住友商事のアドバイザリー・ボード・メンバーも務める。


■新将命氏の講演内容

50年間、経営の現場にいるが、成功者には共通点が多い。
松下幸之助さんが「成功する人は成功するようにやっている。失敗する人は失敗するようにやっている」と言っているが、国籍・国境、業種・業界には関係なく、共通点がある。
その共通点は、「原理原則」「principles」というもので、個性はいいけれど、我流、自己流にしがみついていると、ガラスの天井にぶつかって伸びない。
企業が継続できるかどうか、「持続可能性」「sustainability」ともいうが、勝ち残る企業・組織には「原理原則」がある。
私が話をする「総論」を、聞いている方それぞれが「各論」、自分のことに転換して聞いてほしい。

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まず、株式会社の最終的な責任の対象はどこにあるか?
それは、「株主」にある。
株主が満足するのはどういうときか?
株価が上がり、配当が高いときだ。

では、どういうときにそうなるのか?
それは会社の「業績」がよいとき。
業績は売上と利益。どちらが大事か? それは利益。

利益はどういうときに上がるのか?
「顧客」が満足して、たくさんお金を払ってくれるとき。
外資系ではよく「Value for money」と言うが、価格に対する価値が高いとき。すなわち「勝ち組は価値組」と言える。

どうしたら顧客が満足するのか?
「社員」の品質が高いとき。

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社員の品質、「社員品質」の中身は、「スキル」と「マインド」
「スキル」は仕事力。営業、経理、技術など、仕事の力。
「マインド」は人間力。人間力とは、1)信頼、2)尊敬、3)意欲。
「信頼」は、嘘をつかない、約束を守るなど。信頼が高いと「尊敬」になる。そして「意欲」は、やる気、志。
「意欲」は、1)本人の意欲と、2)部下・後輩など人の意欲を高められるものと2つある。

そして、その社員の満足、「社員満足」には2つの種類がある。「良い満足」と「悪い満足」。
良い満足、正しい満足は「Satisfaction」。
1)会社に社員が「誇り」をもっている。2)仕事に「達成感」、やりがいがある。3)自分を磨く、高めることができる「自己実現感」がある。
悪い満足は「Complacency」。「まあええやんか」という危機感の欠如が会社を滅ぼす。

つまり、ワクワクモードのとき、イヤイヤモードでない状態のとき、社員満足度が高い。

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優れた社員は優れた仕事をする。商品・サービスの品質が高いと、お客さんは納得して買う。そうすると、業績が上がり、株主が満足するという流れになる。

まず「人」、そして「商品」。
「わが社は人をつくります。そして、物をつくります」と松下幸之助さんが言っている。

そして、経営者が人材育成に力を入れているかどうか。
社員品質は、「経営者品質」による。 「魚は頭から腐る」というロシアのことわざがあるが、企業もトップ、社長から腐る。
会社は社長で9割決まる。社長がアホだと会社がダメになる。
では、「経営者品質」は何かというと、「マネジメント能力」と「リーダーシップ」

すなわち、「経営者品質」→「社員品質」→「商品・サービス品質」→「顧客・社会満足」→「業績」→「株主満足」→一巡して「経営者品質」...という流れが、勝ち残る企業・組織の「原理原則」といえる。どの要素がダメでも企業は長続きしない。

世の中には、「ビッグな会社」と「グッドな会社」があるが、ビッグになることを急ぎすぎると潰れる。グッドが先、結果的にビッグになる。

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今のは企業・組織の原理原則。では、成功するビジネスパーソンの原理原則はどうか?

それは、「スキル」と「マインド」が高い人材。
これを「人財」という。自ら仕事をつくることができる人、すなわち「リーダー」「統率者」で、全体の5~10%。

「スキル」だけ高く「マインド」が低い人は「人在」。自分から手を上げない、いるだけの人で、「フォロワー」「追随者」。全体の80%。リーダーとの違いはモチベーション。

逆に「マインド」が高く「スキル」が低い人は「人材」。新入社員など「ビギナー」「初心者」。この割合は、企業による。ケースバイケース。

「スキル」も「マインド」も低い人は「人罪」。「ルーザー」「負け犬」。3~5%。いてもらっては困る人たち。

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最近、いろいろな企業の部課長を見て感じるのは「疲労感」「疲弊感」「閉塞感」の3点セット
原因は、短期目標に追いまくられて、精神的に参っている。上司、事業部長やトップが、将来の夢を語っていないからだ。
今大変でも、期待、希望、楽しみがあれば頑張れるが、これらがない。トンネルの先の光が見えない。つまり、「方向性」がわからない。

リーダー、経営者は、「方向性」を語る人でないといけない。
今年の売上目標を語るのは、マネージャー、管理者。

「方向性」は、理念+目標+戦略
「理念」は、どうなりたいかという「ビジョン」、誰のために何をするのかという「使命感」「ミッション」、何が大切かという「価値観」「バリュー」から成っている。

そして、「目標」は、理念+数値。

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「方向性」が、リーダーシップのひとつ目。

これを私は、次のように言っている。
1. 今どこだ?(現状認識)
2. どうなりたい?(理念・目標)
3. 何をどうやる?(戦略・戦術)
4. どうなった?(Plan Do Check=PDCのC)

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リーダーシップの2つ目は、部下の動機づけ、モチベーションアップ。
これは「KKKMHF」。
K 聴く
K 関与させる 参加・参画
K 決める タイムリー、スピーディーに決める。
M 任せる 人を育てるためには任せることと、ドラッカーも言っている。
上司が任せているつもりでも、部下は任せられているとは思っていない。認識のズレがある。任せすぎのほうが、任せなさすぎよりベターといえる。
H 褒める
F フィードバックする 悲しいのは、期待不明、評価不明、評価と待遇の結びつき不明、方向性不明ということ。だから、良い点、悪い点をフィードバックされると嬉しい。

リーダーシップ能力は、生まれつきのものが2割、生まれた後のものが8割。
ゲーテは「人は結局、思ったとおりの自分に近づく」と言っている。

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「マインド」で、大切なのは「情熱」と「自責」と「3K」

「情熱」には5つの型がある。
1) 自ら火をつけて燃えている「自然型人間」が5~10%
2) 人が火をつけると燃える「可燃型人間」が80%以上
3) 何をしても燃えない「不燃型人間」が2~3%
4) 人の火を消す「消火型人間」が1~2%
5) 人に火をつける「点火型人間」が5%

このうちリーダーは1)と5)でありたい。

「自然型人間」であるための方法は3つ。
1. 人生に目的、ミッションをもつこと
2. 短期と長期の納得目標を追い続けること。
私は34歳からずっと短期、1年以内の目標と、それより長い長期の目標を、毎年、手帳に書いている。
短期の目標は毎年5~6個、それ以上は多い。選択と集中、優先順位。
去年の目標を見て、できたことは削除、続けることは継続、新しいことを追加している。40年のあいだで、書いたことの85%ぐらい実現している。人生は思いどおりになる。
3. 情熱の火をわけてくれる人と付き合うこと。付き合う人間は大事。そして、本を読む。ブックメンタ―をもつ。

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そして、「点火型」人間であるためには、「方向性」を語るのと「KKKMHF」。

今後の方向として、
・グローバル化
・多様化、ダイバシティ
・IT化
が進む。多様化のなかで束ねるには、「何か」がいる。それは、「企業理念」
そして、相手から引き出すには、まず自由に吐かせる。
不満を聴く。聴いた後、「何をやったらいいと思う」「自分はどう手伝ったらいいの」と聞く。
肯定的な不満、「現状否定、対策肯定」

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「自責」の逆は「他責」。うまくいかないことを人のせい、何かのせいにすること。
誰が悪い、時代が悪いといっても何も変わらない。他責はムダだから排除する。

「自責」は、「自分は何を考えて、自分は何をやるか」ということ。
「I own the problem. I own the solution.」(私が問題を所有する。私が解決を所有する)
「責任転嫁は自分自身の成長機会の自己否定」ということ。

まず自分が会社で「自責の風」を吹かせる。
会社の風を「社風」といい、「企業文化」になる。正しい「企業文化」がある会社は、不況でも3~4倍強い。

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「3K」は、「肯定」「謙虚」「感性」。
肯定は「とりあえずYes」ということ。「おもろいな、どしたらええやろ」というポジティブさ。「warm heart, cool head」(暖かい心、冷静な頭)。
老人と若者の違いは、年齢ではなく、夢、理想、好奇心があるかどうか。
リーダーは若者らしい魂をもっている。
あきらめていない人。

「コツコツカツコツ」
つまり、「コツコツ」が勝つコツ。あきらめそうになったら、自分に勝つ。
祈祷師が必ず雨を降らせるのは、雨が降るまで祈りをやめないからだという話がある。できるまであきらめないことだ。

リーダーの3大条件は、「方向性」「結果」「人材育成」。
まず。自分が「スキル」と「マインド」の高い人になることだ。

今日の自分は、昨日までの自分の結果である。
将来の自分は、今日からの自分の結果である。
PDCのCを過去から学ぶ。過去からは学べるが、過去は変えられない。

そして、今日の話を参考にとどめず、実行に移してほしい。
(以上)

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私は、1984年からこれまでに、取材や経営相談で5000人以上の経営者にお会いするなかで、うまくいく人、いかない人には、それぞれ「共通点」があると思いました。
だから、新氏のおっしゃっている「成功者には共通点が多い」ということに対して、まったくそのとおりだと思います。

そして、その共通点は、いろいろな方がおっしゃっていることとほぼ同じ。
「ビジョナリーカンパニー」シリーズや「7つの習慣」、ドラッカーの本、アンソニー・ロビンズの本などに書いてあることと、本質は同じであり、それは、経営者に限らないと感じます。

その共通点は、言葉にすると、案外「普通のこと」かもしれませんが、しかし、それぞれの方が、いろいろなことを試してたどり着いた結果であり、そこに至るまでに時間と労力がかかっている。
頭だけの理解ではなく、紆余曲折のなかから自らつかんだ「事実」であるから重い、意味がある揺るぎのないもの、「本物」になっているのではないかと思います。

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